宮崎椅子とデザイナー
今や大人気の宮崎椅子を手掛ける宮崎椅子製作所も、1969年の創業当初は鏡台椅子をOEMで生産する工場でした。
宮崎椅子製作所には、優れた技術を持つ職人が大勢おり、木取り・木地加工・組み立て・布張りと、「イスづくり」の全てを一貫して行っていました。
そこで2代目社長の宮崎勝弘さんは、このすぐれた技術と職人の技量を自社製品として生かす必要性を感じました。そして、家具デザイナーの村澤一晃さんや小泉誠さんと共同でオリジナル製品「宮崎椅子」を確立させたのです。
この成り立ちからもわかる通り、宮崎椅子のデザインにはたくさんのこだわりが詰まっています。
職人と“デザイナー”が一緒に手を動かし、話し合いながら、製品を完成させていくという製作スタイルには、一切の妥協をしないという製品への強い熱意が表れています。
村澤一晃さんや小泉誠さんを筆頭とするデザイナー陣は、2か月に一度工場に足を運び、美しさや機能性を確認しながら、その場で改良を進めていきます。
最低3回はこの工程を繰り返し、半年以上かけて一脚をつくりあげるのです。
中には2年以上たってもまだ未完成の製品もあるという程の徹底ぶりです。
このように宮崎椅子はデザイナーと共同で作り上げられています。
まさにこの強いこだわりが、あのシンプルで美しいデザインと座り心地を実現しているのです。
アムス工房の工場に来られたことがある村澤一晃さん、そして箸置きから建築まで生活に関わる全てのデザインを手掛ける小泉誠さんデザインの「宮崎椅子」を、ぜひ見に来てください。